こちらは本日装着したジルコニアオールセラミックです。近年の審美歯科において最も優れた材料は、ジルコニアです。硬くて、軽くて、生体親和性が抜群で、美しくしい。従って各種メーカーは、凌ぎを削って歯の色彩を忠実に再現できるシステムキットを開発しています。現存する有名なメーカーは下表に示した通りです。(Fig.1)

また、Fig.2の如くジルコニアセラミックは、フルジルコニアと築盛タイプ(ジルコニアオールセラミック)に大別されます。フルジルコニアとは、CAD/CAMによって作製されます。つまりスキャニング後、ジルコニア塊をミリングマシーンで切り出し、簡単にステイン(着色)をつけたものです。これはワン・デイ・トリートメントも可能で、比較的安価で壊れにくい利点があります。

しかし、我々の歯の色は、複雑で個性豊かです。ジルコニアフレームを作製後、一層(ワン・レイヤー)、二層、三層、多層と色を積み重ね、焼成させ、その患者様の歯の色に仕上げていくのです。

この工程は、多色築盛(multiple layering technique)と呼ばれ、ただCAD/CAMによって切り出され、ステインをつけたフルジルコニアより、はるかにカスタマイズされた色調が再現できます。

ジルコニアクラウンは、歯科医師と歯科技工士の技術の融合によって完成されます。

 

ヒロデンタルクリニック