最後臼歯のインプラント治療
『筋トレをすると、一番奥歯が痛みます。抜いてインプラントを入れて欲しい。』と歯の不調を訴えてきました。そこで3か月前に、保存不可能歯を抜き、温存術を施し、本日、インプラント埋入術を行いました。
最後臼歯とは、一番奥にある歯、すなわち第二大臼歯のことを指します。もう一つ奥に第三大臼歯(属名:親知らず)がありますが、役に立たずに抜かれてしまう運命にあります。さて、第二大臼歯歯は、大切な歯ですが、常に危険にさらされます。顎関節に最も近いこの歯は、食いしばる時に大きな咬合力を受けます。更に歯ブラシがとどきにくいため、虫歯や歯周病にも罹患しやすい場所にあります。従って、歯を失うリスクが高いのです。
歯を失った時の治療法として、延長ブリッジかインプラントとなりますが、個人的には、天然歯の延長ブリッジは禁忌と考えています。つまり最後臼歯を失った時のオプションは、1、何も入れない。2、インプラント治療をする。と、しています。年齢、口腔内環境を考慮の上、患者様と相談し、治療方針を決定します。
近年、この最後臼歯のインプラント治療を希望する患者様が増えてきました。喜ばしいことです。人間の歯は、上14本、下14本、が並んで、歯列となり、上下で噛み合って、咬合と呼ばれています。それぞれの歯には、役割分担があります。そして、歯列、咬合は深く健康状態に関わっています。