50代でこの部位に義歯を装着することは、かなり困難な事である。異物感が強く、満足に咀嚼できない。もし、我慢をして使い続けると、顎堤(義歯の乗っかる土手)が無くなってしまう。10年前に歯を失い、一度義歯を作ったが、すぐに諦めてしまった。この状態で生活を続けて行くと、少しずつ健全な歯を失ってしまう。インプラント治療の可能性を求めて来院されました。

2本インプラント埋入を計画し、3Dプランニングすると、手前の部位は、顎堤が痩せていて細くなっています。

奥は更に難易度が高く、骨の厚みは約3mmです。上顎洞挙上術が必要です。将来を見据えて、上顎洞挙上、サージカルガイドを使用したインプラント2本同時埋入をすることになりました。
こちらがサージカルガイドです。大変難しい手術が予想されるので、何度もCT、3Dデータを見直しをして手術に備えました。

昨日が手術日でした。まず、採血をし、成長因子を抽出。静脈内鎮静法麻酔下にて、手術が始まりました。ピエゾサージェリーにて骨窓を開け、慎重にシュナイダー粘膜を剥離挙上、成長因子(PRGF)を絡めた骨補填剤を充填し、サージカルガイドを用いて注意深くインプラントを埋入します。柔らかく薄い骨なので、難しかったです。手術の結果は、下記のCT像にあります。

理想の位置にインプラントを埋入でき、シュナイダー粘膜も内面まで挙上出来ているのが確認できました。成長因子(PRGF)は、創傷治癒を促進します。4ヶ月後、上部構造体を作り上げるのが楽しみです。
ヒロデンタルクリニック