フラップレスで手術
先日、インプラント治療を前に、『先生、できればメスで切らないで下さい。』と、患者様に言われました。通常、インプラント手術では、歯肉にメスで切開を入れ、それを骨から剥離し、めくりあげることをフラップを形成するといいます。しっかりと手術部位を直視できるため、これが基本的な手技です。フラップレス(ノンフラップ)とは、手術用ガイドを使用し、メスで切開せずに、歯茎を最小限にくり抜き、そこにインプラントを埋入する術式です。従って、低刺激で、出血が少なく、痛みを腫れも少ないのです。本当はすべての患者様にフラップレスで手術したいのですが、制約があります。抜歯してから、年月が経ち埋入部位が安定していること、安全域があること、つまり、骨幅と骨深度に余裕があり、神経血管束が近くにないことなどです。つまりフラップレスの場合、盲目的に手術することになるので、3Dプランニングが重要になります。
3Dプランニングにより、手術のシュミレーションができます。
上の写真が完成したサージカルガイドです。右上にあるリングに沿ってインプラントをフラップレスで埋入します。
この患者様は、上記の制約をクリアできたので、フラップレスで手術をしました。静脈内鎮静法を併用したので、寝てる間に手術が終わり、術後は、腫れも痛みをなかったそうです。手術時間は、20分程でした。2か月後には、X線に写っているボタン式のキャップを外して、歯型を取れば上部構造体(歯冠)を取り付けることができます。
ヒロデンタルクリニック