<外傷で前歯7本喪失症例>
この症例は、学童期に外傷のため、7本前歯を失った女性です。以来、30年もの長きに渡って、義歯を装着していました。
さて、このタイミングで『義歯を外して、インプラントで食事をしたい。』と、来院されました。長年の入れ歯人生の為に、(上段写真)顎堤、つまり骨が著しく痩せています。何とか骨内にインプラントを植立できるようにプランニングを行い(中断写真)ましたが、大きな骨造成が必要です。こんな時頼りになるのが、PRGF療法です。(下段写真)成長因子とフィブリンの働きにより創傷治癒が速く、骨を造成されます。
次に手術。こんな痩せて、先端が尖っている骨の斜面にインプラントを埋入しなければなりません。X-Guideの出番です。プランニングデータをインポートしたこのナビゲーションシステムは、この動画の如く、この大きなモニターに映し出される解剖学的所見を確認しながら、4本のインプラントを慎重に埋入してゆきます。埋入後はPRGF再生療法で、骨造成しました。4ヶ月後が楽しみです。
インテグレーション(インプラントの骨性結合)を確認後、スキャンボディを捻じ込み、デジタル印象で仮歯を作りました。仮歯の役目は、最終補綴物に移行しやすいように、噛み合わせに慣れること、歯茎の連続性を保つことなど重要な役割があります。そしていよいよ完成したジルコニアセラミック歯がこちらです。あの煩わしい、義歯から解放され、会心の笑顔で、喜びを表現してくれました。