仮歯の役割
仮歯とは、最終補綴物が入るまで暫間的に装着される補綴物のことを指します。前歯を一本でも失ったら、恥ずかしくて笑うこと、おしゃべりすることできませんよね。また、奥歯を失ったら、食べにくくてしょうがないですよね。そんな時、重宝します。
例えば、上の写真は、数十年前に両側の奥歯を失った患者様の仮歯です。健康増進のため、一大発起してインプラントを埋入しました。しかし、いきなり奥歯を入れても、慣れるのが大変です。咀嚼は、舌、口唇、頬の筋肉を使い、そして唾液によって、食塊を形成し、胃に送り込む(嚥下する)一連の動作です。まずは、咀嚼することに慣れていただくために、仮歯を作りました。
次の写真も同一患者様の、前歯の仮歯です。こちらもインプラント治療を希望されています。抜歯、骨増生し、4~6か月骨が形成されるのを待ちます。少し長期間使用することになるので、裏側にウイングを伸ばし、接着剤で固定するタイプです。
この形態はメリーランド・ブリッジと呼ばれています。両隣りの歯を削りたくないとき、重宝します。
最後の写真も、インプラントの仮歯です。インプラントを埋入した直後に一つ目の仮歯を入れ、歯茎を成熟させ、更に健康で美しい歯茎を作り上げるために作製された二つ目の仮歯です。仮歯の目的にはこのように歯茎を健康的で美しく作り上げる役割もあるのです。